竹と環境問題


世界全体でこのまま木材消費が続き、森林破壊が進むと世界中の森林は50年後にはなくなるといわれています。森林の破壊は地球の砂漠化と温暖化、異常気象、生態系の破壊など、地球全体の生命維持システムの崩壊につながり、未来の子供達の生命を脅かすことになりかねません。

 木材は一度伐採して再び植樹しても、その育成には最低50年はかかります。しかし、竹は地下に張りめぐった地下茎から毎年タケノコとして芽が出て、約3か月で10メートル以上に成長し、そして3年もたてば身が引き締まり立派な成竹となります。
 竹は根を張る力が強く、他の植生を脅かすこともありますが、逆に地崩れや地盤沈下を防ぎ、森と人間の生活を守ってくれます。竹林を健全に保つためには適度に伐採して、密生することを防ぐ必要がありますが、残念なことに日本中の山林の竹林は、ほとんどが放置されているのが現状です。

 竹は約100年に一度花をつけますが結実性はなく、したがって全く別の土地で自然に生えることはありません。竹が自然に増える方法は地下茎を少しずつ伸ばしていく以外にはなく、今、日本中に自生している真竹も、むかし、誰かの手によって植えられてものです。

 竹は木材に比べて加工しづらいという欠点もありますが、日本も含めてアジアには昔からのすばらしい「竹の文化」があり、竹を住居や生活に上手に利用する知恵を持っています。また竹には天然の抗菌・浄化作用があり、とても人間にやさしい植物です。しかし、最近はその伝統も薄れ、生活様式の全てが西洋化されるようになって、竹に触れることも忘れられてしまいました。

 こんな現状を少しでも良くしようという思いから「竹馬工房」は出発しました。現代の子供たちに、地球環境のためにも、少しでも竹の良さを知ってもらい、未来にわたって竹と地球と人間のやさしい関係を築いていくことを「竹馬工房」は願っています。

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